東京のケンキョラスの様子を教えてもらった話

東京の、SHIBUYA PUBLISHING & BOOKSELLERS さんでケンキョラスを取扱っていただけることが決まり、

 

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都内在住の友人のなかで、なんとなく、いちばん最初に報告したのは、最近宮崎から引っ越していった、私のイトコの親友。従姉の親友って微妙に遠いかもだけど、私にまですごく良くしてくれている。すごいできる人。

 

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(余談ですが、去年イトコの結婚式では彼女が友人代表スピーチをしてくれたんだけど(またそういうのもソツなくできるわけ!)新郎新婦入場の時点で号泣洪水だった私含む親族席一同は、彼女が勇ましくビールをひっかけて登壇していく頃には早くも泣き疲れていたという思い出があります。

そして大分の山奥に嫁いだ新婦はすごいアナログ人間SNS上には存在せず、雲海みたり雪かきしたりして暮らしてるはずで、わたしも彼女とは母親の介護の話しかしてないので、親友にこんな世話になってることも知らない。そのうちまとめて報告しなければ、ですです。。)

 

そのあと、去年の宮崎のZINEのイベントzine it!でまたお会いして、私も彼女が山形屋裏の共有店舗で週一でやっていたスナックで駆けつけ一杯ひっかけつついろいろ話きいてもらったりして。鉄砲イズムを理解していることもあり、私がマスターのことを書いたことを喜んでくれて感想もくれて、ケンキョラス自体、すごく応援してくれて、建設的な意見をくれる。口だけじゃなく、ほんとに応援してくれている。

 

鉄砲のトイレにも、落書きをくれていた

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前置きが長くなってしまいましたが、その彼女が、早速SPBSさんへ行ってくれて、しかもわざわざ店員さんに許可を取って展開のようすを教えてくれました。泣ける

 

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ていうか、泣いた。

出先の、「トイレットなんかで、泣いてしまったのだ」(by 山田詠美

 

 

ケンキョラス、

真鶴出版 | 泊まれる出版社さん

の横に並べてもらって超嬉しそうなんだけど!!

 

わたし去年の春SPBSで真鶴出版さんのリトルプレス購入しましたし

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(つぎ小田原のいとこのとこ行くとき、ぜひ訪れてみたい!と思って)

泊まれる出版社ってあんた。。。どんだけすてきなん。。。

 

すてきなローカルzineやリトルプレスたちのなかに、ケンキョラスがある。。。

 

すごい。。。

 

店員さんのあたたかいお言葉も(うれしい!)、それを聞き出して報告してくれた友人も(ほんとうにうれしい!)

 

置いてくださってるSPBSさんも。

(限られたスペースに考え抜かれた選書ほどこされてることも、新陳代謝ハゲしいことも、素人目にもわかるくらい素敵な本屋さんだって知っているから余計うれしい)

 

 

取扱への後押しや繋がりをくださった方々も。

 

みなさま、ほんとうに、ありがとうございます。

 

だからもう、これは、自分がもっと力をつけて、いいものつくって、恩返しするほかない。それしかこの感謝の還元の方法はない。

 

ものつくるのも、販促や営業も、わたしには才能ないけど、ないならないなりに、愚直に、やるしかないよね。手探りだらけだけど、ひとりじゃないしね。

 

私は墓で先祖と話して(話した気になって)安心するのが趣味なんだけど、じいさんばあさん叔父や従兄たち「引き続き、まっすぐ、がんばれ」言ってた!気が!する〜

 

ねばねば!

 

引き続き、よろしく伏してお願いもうしあげます。

 

ケンキョラス取扱店さま一覧はこちら→ケンキョラス | Facebook

 

 

 

 

 

 

 

 

鉄砲のカウンターにて、酒場の会話

2月某日

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その日は、私の身の程知らずなおつかいの頼み方に応えてくださった粋な大人たちの優しさにふれ、さらにそので繋がりで、ある方にケンキョラスのレビューを素晴らしく素敵に書いていただいた。

 

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それを我が事のように喜んでくれたアペゼどんが鉄砲で祝杯をあげるというので、ついていくと、

 

数日前にたまたま雑炊屋さんでご一緒し、ケンキョラスを購入くださったチッチキチーさん(仮)が「ケンキョラス読んでたら、ここの串が食べたくなったのよ」と現れ、

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鞄からおもむろにケンキョラス出し、結局みんなでマスターへの質問タイムしたりケンキョラスの今後に思いを馳せたり。いいぞ人間交差点、いいぞ鉄砲、だったんですが、

 

チッチキチーさんの会話がおもしろすぎたので途中から録音させてもらったものを、以下、一部書き起こします。

 

(最近の趣味、書き起こしと化してますか、大丈夫ですか、)

 

登場人物:

アペゼどん(以下、ア)、

謎のケンキョラス読者チッチキチーさん(以下、チ)※酔ってる

鉄砲マスター(以下、鉄)、

ぱっこりん(以下、ぱ))

 

(ケンキョラスを今後どうしていくの?みたいな話、みんなジブンゴト化して考えてくれて、いろいろアイディアをもらって)

 

チ「定期購読制とかにしたらいいんじゃない?」

 

ぱ「定期購読?!定期購読してくれるんですか?」

 

ア「すごいね、いろんなアイディアがでてくる」

 

チ「そうするにはどうすればいいのか、うーん」

 

ア「超おもしろいね」

 

ぱ「異業種の人と話すとね、自分にはない引き出しがばんばん出てくるからね」

 

チ「たとえばほら、“食べる通信”とかあるじゃん、自分、高千穂郷のを定期購読してるんだけどね」(高千穂郷 食べる通信

 

ぱ「ああ、あの、ふるさと納税の返礼みたいに肉とかが一緒に贈られてくるやつ?」

 

チ「(カメラロールの写真を掘って)これが一回目の高千穂牛だったんだ、これは二回目の柚子ね、こういう地域の食材を知り合いの料理屋さんの信頼してるシェフに調理してもらって、ぼくはそれを写真を撮って、食べてこうだったああだったっていうのを個人的に発信をしてるんだけどね」

 

ア・ぱ「すごい!!」

 

ぱ「それは、こう、地域活性みたいなのを応援したいってかんじですか?」

 

チ「そう。まあ、普段から食べるのが好きでいろんなお店に行くしね、地域でがんばってる若者を応援したいっていうのもあるしね。で、結局、食べる通信ていうのが、いま高千穂の若い人たちがものすごく頑張ってて、生産者と消費者をつなげたいっていう思いでやってるんだよ。で、消費者的にいうと、料理人さんてやっぱり素材に対するリスペクトを土台に、感性と技で料理をつくって食べる人を感動させるわけじゃん?だからあの、生産者と消費者とをつなぐって意味ですごい味方になると思うんだよね」

 

ア・ぱ「超わかります」(うなずく)

 

ア「ほんとそうですよね。」

 

ぱ「花屋もそうか」

 

ア「そう。だって、生産者さんがいちばんお花のことわかってるし、」

 

ぱ「その文脈では花屋さんも料理人っていうか媒介人みたいなもんですもんね」

 

(忙しさが落ち着いた鉄砲マスターと目が合う)

 

ぱ「聞いてた?述べたいでしょう、感想どうぞ?」

 

鉄「いやいや、そんな、評価する力は私にはありません」

 

ぱ「からの?」

 

鉄「ただね、宮崎はね、どっちにしてもね、いいものを持ってたって、宝の持ち腐れといっしょみたいなところあるのよこれは」

 

ぱ「発信力問題、みんな言うよね」

 

鉄「だって、携帯電話と一緒やとよ。圏外にあるようなもんやわー、受信ができんけりゃ発信もできない」

 

ぱ「発信力ってみんな言うけどさー、発信力ってなんなんでしょうね?ってこの議題このまえピラノフとも話してたんだけど」

 

鉄「だからね、ライブでも一緒なのよ。現場では評価しないで終わって家に帰ってから良かったねなんじゃらかんじゃらとかさ、食べ物屋でも、そこのレストランでそこの人に“美味しかったですよ”って伝えること、できない人が多いがね。伝えなきゃ、何にもならんとぞ」

 

チ「俺は、てげ(=very. 宮崎弁)、訊く。お店の人にてげ訊く。せっかくの美味しいものっていうのは、ちゃんと価値を知って食べたいから、お店の人にすごく訊きたいんですよ。これ何ですか、これ何ですかって。」

 

鉄「(作る側も)なんぼ素材にこだわっても、伝わらなかったら、何にもならんのよ」

 

チ「もったいないですよね。その素材を手に入れたり育てたりするのに、どんだけの手間暇やドラマがあるかとかね、知って味わいたいわ」

 

鉄「そう。だって、日本一っていってる都城和牛(宮崎牛)よね、東京あたりでよ、神戸牛、松阪牛宮崎牛、いろいろあって、どっちが選ばれるかって話よ。なんでかっていうの、わかりますか?」

 

三人(考える)

 

鉄「宮崎の人間自体が、宮崎和牛を(それほど)食べてないからよ」

 

チ「なるほどね、それ大事だね。うん、すごく大事だね」

 

鉄「県外からきた人に宮崎牛についてきかれてよ、どこでどんな食べ方するのがいいですか?しゃぶしゃぶですか?ステーキですか?ってきかれてよ、答えられないよ」

 

ぱ「たしかに、神戸牛や松阪牛との差異でもって語れるほど食べてないわ」

 

鉄「チキン南蛮なら答えられるのよ」

 

(一同、笑)

 

鉄「うどんなら答えられるのよ、どの店がどうだって」

 

ア「余裕がないのかな?」

 

ぱ「それもありますよね、私なんかもそうだけど」

 

鉄「だから、地産地消っていうのは、僕はいつも言うけど、どうなんだろうって」

 

ぱ「ほんとにいつもおっしゃってます」

 

鉄「だってある種、外で売れんければ、なんの意味があろうかってね。ここでとれたものをここだけで食べるんだったら、おれんちの畑と一緒ですよ。僕はそう思いますね」

 

ぱ「これちょっとマスターの名誉のために補足していいですか?つくったものを売る、それを生業にする、流通させる、経済を回すって観点でいうとって意味だと思います」

 

鉄「はい」

 

ア「花は、もう、地元のものが地元の店には入らないことも多いんですよ。九州のお花は東京の方へ行っちゃうのも多くて、私たち(地元の花屋)は注文したら、東京経由の高い値段のが届く、みたいなのがあって」

 

チ「まじで?」

 

ぱ「逆輸入みたいな?」

 

ア「私たち花屋が産地を見に行って、信頼関係を築いてってなると卸してくれるのかもしれないけど、当たり前だけど高く買ってくれる方に出すから。で、また、そういう良いものを、東京とか中央の人たちの方が拾うスピードも速いんだと思う」

 

ぱ「あー」

 

ア「たとえば、淡い色の、ちょっとくすんだような色の花とかあるんだけど、私それすごく好きな花なんだけど、こっちではちょっと枯れてると?みたいな見方になることも多いみたいであんまり出回ってなくて、で、ほとんど東京にいっちゃう、みたいなのとかね。なんかもうほんとうに、もどかしい・・・」

 

ぱ「お花業界もそうなのか・・・」

 

ア「お花つくってる生産者さんのところ、この前もいろいろ行ったんですけど、地元の他に東京にも卸してるってところに行ったら、わたしたち地元の花屋が来たことをすごく喜んでくれて、嬉しそうにいろいろ教えてくださって。でもほら、生産者さんはあくまで生産者さんで、どこで高値で売れるかとかはまた担当が別だから」

 

ぱ「卸屋さん?問屋さん?」

 

ア「うん。だから生産者さんはいいものをつくることに徹するというか。」

 

ぱ「宮崎の生産者→東京へって図式が出来上がってるわけね」

 

鉄「魚なんかも一緒みたいよ」

 

一同「ああー」

 

鉄「ぜんぶ築地に行って、近海ものしか県内では出回らないみたよ。いいものがあがったときには、築地へやった方が金になるわけよ」

 

一同「うんー」

 

鉄「うちの創業時からの看板メニューでつかってるアスパラガスなんかでも、今でこそ普及してるけど、昭和53年当時はアスパラって何ですかって訊かれよったのよ。アスパラガスをつかってるところは、当時、宮崎観光ホテルぐらいよ。グリーンアスパラを何するのかって言われてよ、缶詰のアスパラじゃいかんのかって。だからその頃、宮崎のほとんどの人が缶詰のアスパラしか知らんかったはずやじ」

 

チ「あの白いやつ?」

 

鉄「はい。で、うちは、市場で引いてくれって頼んでたっちゃけど、引けないときがあるがね。大阪の市場に電話して頼んで引いて、結構な高値やとよ。だけど僕はそのときこだわってたから。看板メニューでうちの売りだから。だから、高くでもなんでも引くって、僕ずーーーーっとやってきたんですよ。」

 

(ラジオから人間の証明のテーマが流れる)

 

鉄「またこのいいタイミングで、いい音楽が流れたねえ」

 

チ「これ人間の証明だっけ?なんだっけ?」

 

鉄「歌いましょうかね、僕」

 

チ「人間の証明だっけ?これ」

 

ア・ぱ(爆笑)

 

鉄「だからね、グリーンアスパラを、宮崎で浸透させた普及させたっていうことに関しては、僕は自負があります。月日が経てば、今みたいにスーパーでも普通に流通してるでしょうけどね。輸入物でもなんでもある時代になってきましたけど、その当時は僕は信州ものにこだわってたんです。長野か群馬。ただ今は、高千穂でも作ってるみたいですよね」

 

ア「そのものの良さを知るってことなんだろうね」

 

鉄「あまりにも、知らないのよ」

 

ア「流行りだーオシャレだー、なんじゃらかんじゃらだけでさ」

 

ぱ「なんかこう、枠組みだけのオシャレとか体裁だけがあって、内容が無いヨーみたいなのが多いじゃん、なんかさ」

 

ア「うん(笑)。これ、やってる自分、かっこいい!みたいなやつやろ?」

 

ぱ「そう!!!なんなのあれ」

 

鉄「ママ~♪(人間の証明を歌う)」

 

ア・ぱ(爆笑)

 

チ「人間の証明なの?」

 

一同 (爆笑)

 

ぱ「そればっかり気になってる」

 

チ「はやく答えがほしいんだけど」

 

ア「いま調べるときじゃない?」

 

ぱ「ほら、スマホスマホ

 

鉄「これ誰が歌ってるか知ってる?」

 

ぱ「つのだ☆ひろ?」←違

 

(そして話題は“人間の証明”から音楽へと移り、夜は更けていくのでした・・・)

 

 

ヨーコとばなな

オノ・ヨーコさんが「今は困難な時代になってきていて、私でさえ生きにくいけれど、一日にひとつ、何か心が躍ることをしてください、なにひとつそれがなかったら、誰かほかの人にそれをしてあげてください、そこから世の中が変わっていくのだから」というようなことをインタビューでおっしゃっていて、なんとすばらしいことを言うのだ、と深く感じ入りました。

私にとっていつもそれは、こつこつと小説を書いて、それが誰かに届くことです。“

 

と、よしもとばななさんが「吉本ばなな自選選集4」のあとがきで書かれていたのに深く感じ入り、それが出版された2001年当時から手帳に書写するなどしてことあるごとに引用しているのですが、先日久しぶりに実家から持ち帰り、読み返して、これをばななさん三十六で書いていた事実に驚きを隠せない。

 

 ”人生についてのあれこれを書くことこそが私のしたいことだ!と鼻息も荒く書き続けてきたはずなのに、まとめて読んだらやはり・・・・。絵のない『ひな菊の人生』や『悲しい予感』は迷子のようでさえありました。さらに最後の短編に至ってはエッセイなのか小説なのははっきりしろ!っていうくらいに、着地点を見失っている・・・しかし、これこそが、今、三十六歳の私の、いるところなのでしょう。

 

(中略)

 

そう思うと、人生は短いのです。書きたいものを思い切り書いて、愛する人々と助け合って、思い切り泣いたり笑ったりした後、この美しい星の上で、天寿を全うして死んでいけたら・・・、そう願います。それはそんなに大それたことでも、甘いことでもないと、三十六歳になって、まだ本気で思っています。

 

(中略)

 

 

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japanese tip と私(⑧旅人に直撃5)

(インタビューつづき)

 

  • 続けていくことで見えるものがある

 

ぱ「座右の銘とかってあるんですか?」

 

た「笑 ないです」

 

ぱ「うそ、めっちゃありそう、哲学とか」

 

た「あれなんすよ、はまれないんすよ、いろんなものに」

 

ぱ「なんか冷静ですよね、どこかで。いい意味でフラットというか」

 

た「そう、なんか、はまりたいのに、はまれなかったりして、どっかでシュッて客観視しちゃう部分があるんですよね。それは自分としてはあまり好きじゃない性質なんですけど。めっちゃ好きなアーティストがいるわけでもないし」

 

ぱ「でもすごい根性を感じるというか、この活動4年目?でしたよね?」

 

た「そうっすね」

 

ぱ「なかなかできないですよ、私なんかヘタレだからほんとにそう思います」

 

た「新しいことをやるのも大事やとか言われることもあるんですけど、なんか、続けて見えるものもあるなっていうね」

 

ぱ「26にして(涙を拭くまね)」

 

た「いやいや笑」

 

 

  • ずっと反骨精神で生きてきた

 

ぱ「そのモチベーションを保つ秘訣はなんだろなっていうね」

 

た「小さい頃は、ずっと反骨精神で生きてきて、自分、学生時代とかも“なんもできへんやつ”やったんですよ。大学初期は時にひどくて。(京都造形大学の)空間デザイン学科に入ったんですね」

 

ぱ「空間デザイン」

 

た「それは、なんでもするんですよ。パソコンで椅子のパーツつくったり、空間のウインドウディスプレイつくったり、地下空間を設計したりとか。本つくったり写真撮ったり、もういろんなことする学科だったんですけど、そこにポンって入ってもーたんですよ。なんか“ものつくりたいな”ってだけでね。親とかも猛反対やったんですけど、実際入ってみたら、思ってたのとちゃうんかったんですよ。想像をつくるばっかりで、パソコンでモデリングとか。いや、実際、ないから、わからんと。そういうプレゼンしたところで、つくってくれたらいいよと。偉そうですけど(笑)。作れへんやんか、と思って、めっちゃ嫌になって」

 

ぱ(爆笑)

 

た「で、どうしようかなーもう学科変えるか辞めようかぐらい思ってたときあって。そのときに自分が提出してた作品についてた名前が、毎回みんな辰巳クオリティーって言ってて」

 

ぱ「へー」

 

た「悪い意味でね」

 

ぱ「あ、そうなんですか?」

 

た「おまえそれ辰巳クオリティーやんけってなったらもう最悪で、下から1番目とか2番目。ようわからんやつ、みたいな。ばかにされとったんですよね、どこか。で、自分はヘラヘラしとったんですけど、それはそれでまあいっかと思って。」

 

ぱ「へー」

 

た「ずっと特になにもできひん半生を送ってたんですけど、妄想だけはしてたというか、口で発するの苦手やったから、こう頭で考えて、でもそれってものにならないとみんなに伝わらないし、」

 

ぱ「難しいとこですよね」

 

 

  • シロクマ先生との出会い

 

た「そんななかで、シロクマ先生の授業を間違ってとったんですよ」

 

ぱ「間違って?」

 

た「1こ数字を間違って出したんですよ、4か3か」

 

ぱ「履修届の?」

 

た「そう。それがジュエリーの授業で。ワン・デイ・ジュエリーっていう授業やったんですよ」

 

ぱ「ワン・デイ・ジュエリー。いい名前」

 

た「一日でジュエリーをつくるっていう。ある女の子は、きのう徹夜して彼氏のこと考えてニキビつくってきました、それが私の青春です、みたいなジュエリーとか」

 

ぱ「あらー、すてき」

 

た「なんか、なんでもアリやったんですよ、その授業は。評価も、それぞれの思ってるものがあって、それをジュエリーとして捉えてくれるんやなーっていうか、“あ、なるほどな”“こんな世界もあるんや”って思って、授業を辞めずに行くようになったのがあって。毎回作文を書かされるんですね。なんでも、あったこととか、先生への手紙を書くんですけど。ダンスでこういうことがありました、僕はこうやったけど、こうしました、みたいな。そして先生から返事もらうんですけど、先生もすごいおもしろがってくれたりとかして。ああ、なんか、自分の妄想を文字にするだけで、理解してくれる人がいたんや、と思って。」

 

ぱ「すてきな話―。だって絵本に、“ぼくはたつみくんのことが大好きで”って書いてあったよ」

 

た「笑 そうそれで一緒に釣り行ってくださったりするんですけど、家泊めさせてもらったりとか」

 

ぱ「先生はたつみくんのどこが好きなんだろう?きいたことあります?」

 

た「いやーわからんです。あんまききたくないっすね、こそばいですね」

 

ぱ「やー、教え子といえども、プロのデザイナーがここまでする?!ってね。まあケンキョラスも一緒なんですけど」

 

  • かたちのないものをつくる

 

た「うーん。で、ある日に、ゴールデンウィークに“遠いところへ行け”って指令が出たんですよ、先生から。で、作文に書いて提出しろって課題で。お金ずっとなかったんですよね、その時。で、まかない目当てに働いててこれ(ジャパニーズチップ)生まれたのもあるんですけど、お金ないから遠いところに行けない、と。で、考えてたら、うーん、じゃあ胃袋から遠い旅をしてみようと思って」

 

ぱ「胃袋?!」

 

た「お金を使わずに京都でどれだけ生きていけるのかってテーマで2週間くらい実験したんです。いろんな設定をつくって、友達がいない設定とか、パンの耳だけで生きてみるとか、水は川の水に限るとか、近所の知らない人にごはんをねだるのはオッケーとか。まあけっこう辛かったんですけど、その日記を書いたりして。」

 

ぱ「自作自演だ?」

 

た「そうですね。それも作品としてみてくださって。で、自分はなにもつくれないけど、こうやって体験して、おもしろがってくれる人はいると。ていうのから、形にならない作品をつくっていくことが多くて。状況を作品にするというか。」

 

ぱ「根幹はそこだ?このジャパニーズチップも。箸袋はあるけど、そのまわりで発生する体験だったり状況だったり。アートだ?」

 

た「生き方の」

 

ぱ「way of style?」

 

た「なんていうかな、アートになったらいいなと思いますけどね」

 

ぱ「壮大な実験の途中なんですね」

 

た「そうですね」

 

ぱ「シロクマ先生との出会いもおおきいですね」

 

た「辞めてたかもしれませんからね。そこから、なんか、出版社のアルバイト誘ってくださったり、いろんな相談に乗ってくださったりして。今回のクラウドファンディングとかも一番高いやつ応援してくださったりして。」

 

ぱ「シロクマ先生、かっけー!」

 

た「ね。まだお若い方なんですけど、30代後半くらいかなあ」

 

ぱ「そうやっちゃ、私あんまり変わらんじゃん、やだー。この絵本のシロクマ先生の絵も文章もとても素敵ですもんね、詩的で。もちろんお二人ともだけど。やっぱこう、シロクマ先生のがあるのとないのとではちがいますよね、私は辰巳さんご本人より先に絵本に出会ったのもあると思うけど、ちゃんと大人が応援してるっていうのが最初にわかったから。しかもこんな不思議な魅力の持ち主、すてきな大人がって」

 

  • 今後のはなし、ジャパニーズチップの行方

 

ぱ「そのシロクマ先生が、展示会のデザインを担当なさる?」

 

た「やってくれると思います、オッケーしてくれたから」

 

ぱ「展示会はどこでやるんですか?島根?」

 

た「いま決まってるのは、東京です。」

 

ぱ「おおー。時期的には?」

 

た「今年中にと思ってます。東京の展示が、海外へのチケットになればいいなっておもってるんですけど。東京と海外は1回ずつはやりたくて。それが済んだら(ジャパニーズチップの)図鑑ができてるはずなんで、あとはみんなが好きにつくったり楽しんでくれたらいいなって」

 

ぱ「じゃあまたクラウドファンディング?」

 

た「クラウドファンディングせんでもできたらいいです、次は」

 

ぱ「はい」

 

た「いろんな人が勝手に応援してくれて、協賛とかついてくださったら」

 

ぱ「ですね。呼ばれて、行きますって展示とかするっていうのが形としてはいちばん美しいかもですね」

 

た「それが理想ですね」

 

 

  • ひとことで説明できない参加型アートとしてのJapanese Tip

 

ぱ「アートプロジェクト・・・」

 

た「ね、呼名がなかなか難しいですよね」

 

ぱ「でも、それもまた良いですよね。なんていうかこう、かっちり決まりきってないというか、受信者側に能動的に解釈させる余白があるというか。」

 

た「だからこう、人に紹介してもらうときが一番申し訳ないって思うのが、簡単に説明できないところで。」

 

ぱ「それはあるかもですね。私も誤解してたというか、最初インスタで見た印象と、Facebookの印象が全然ちがって、公式サイト見たらまた別の印象で。」

 

た「笑 それたぶんこっちが下手なんですよ」

 

ぱ「いやいやいやいや、多面的というか、マクルーハンいうところのクールなコンテクストですよ。下手にブランディングだけうまくてパッと見スタイリッシュだけど内容がないよーみたいなのより全然クール。参加型アートですよこれは」

 

た「笑」

 

ぱ「長々とすみません。貴重なお時間と楽しいお話し、ありがとうございました。ちょっと、私の力でまとめられるか不安ですけど、でもすごいおもしろかったです」

 

た「こちらこそありがとうございます。詐欺の話メインで。笑」

 

ぱ「あ、最後に、宮崎に人々に言いたいこととかありますか?」

 

た「宮崎の人に言いたいことか・・・あ、マンゴー食べれなかったです 笑」

 

ぱ「なんで最後小4男子みたいになっちゃうんですか、ずっと大人っぽかったのに!笑。じゃあ送りますね、マンゴー。旅が終わったころに」

 

(以上、書き起こしおわり)

japanese tip と私(⑦旅人に直撃4)

(インタビューつづき)

 

  • 海外での反応もみてみたい

 

ぱ「外国の方からの反響とかってあるんですか?」

 

た「日本に住んでる海外の人でクラウドファンディングすごい応援してくださってる方もいて、いわく、海外のチップにはすごく違和感があるけど、この日本のチップ(ジャパニーズチップ)はすごくいいと思ったからお金払った、とか。なんか、ゆくゆくは、英語にして、海外での反応もみてみたいなって思ってるんですけど」

 

ぱ「日本とはまたちがった反応がありそうですよね。たのしそう。英語といえば、ジャパニーズチップのホームページに英語で描かれてる紹介文は辰巳さんが?」

 

た「あれは昔海外に住んでた友達に訳してもらったものなんですけど、向こうって“ごちそうさま”って概念がないから、ちょっとニュアンス難しいかもって言いながら書いてもらった文で。」

 

ぱ「そこからもう異文化ね」

 

 

  • 旅人の目に映る宮崎

 

ぱ「質問の仕方がへたくそで申し訳ないんですけど、宮崎どうですか?ってきかれても困るのわかっててきくんですけど笑、県民性問題ききたくて。辰巳さんはジャパニーズチップというまあいえば同じ受け皿をもって文化の違うところを旅されてるわけじゃないですか。それで、外からぽーんって来た人の目に宮崎がどう映るのか、雰囲気とか空気感とか、そういうイメージききたくて」

 

た「ねー、それね、すべての人に会えてないから、むずかしいですよね、無責任な言葉になっちゃうっていうか」

 

ぱ「ですよね、ごめん、質問がよろしくないね。情報収集に困ったっていうのは焼肉屋でちらっとうかがいましたね」

 

た「まず、はじめに、ですね」

 

ぱ「この旅ではまず新しい県に入ったら地場の本屋さんでご自身の求める情報収集ですもんね」

 

た「街を歩いて、何店舗かで何人かと話させてもらって思ったのは、こう、全体的にこじんまりまとまってるのかなって。たとえば、山梨で感じたのは、長野のお店の紹介がめちゃめちゃ多かったりとかして、」

 

ぱ「へー。県をまたいでってことですね」

 

た「県どうしここはめっちゃ繋がってるなってとこはあったんですけど、宮崎は、縦長の地形的な要因もあると思うんですけど、」

 

ぱ「そこで完結的な?」

 

た「うーん。あと、移住者でいうと、あるお店でいろんな情報をもらうなかで、あの面白い店もこの素敵な店も、やってるのはぜんぶ移住者だみたいな話になって。でもその発言は地元の方からだったんですね。だから、“おもしろいことをやってるのは移住者だ”ってイメージでおられるのかなって。でも自分が会った宮崎の地元の人たちも、その方含め、素敵にがんばってはるというか、そんなことないのになって。それこそ謙虚なのかなって」

 

ぱ「おもしろーい」

 

た「逆にUターン組が元気やなって思う県とかあって。鳥取とかはけっこうそうで。昔おなじ野球部だったメンバーが一回散ったけどまた戻ってきて近くでそれぞれ商売やってたりして。戻ってきた人たちががんばるなかに移住者もひっそりいるイメージだったなかで、こっち(宮崎)はそんなかんじではなさそうだというか。もっといろんな人に会わんとわからん部分あると思うんですけど」

 

ぱ「ですよね、滞在期間数日とかで、旅して行くわけですもんね。」

 

 

  • ぱっこりん、旅人の健康状態にまで興味をもつ

 

ぱ「体調を崩したりとかは大丈夫ですか?」

 

た「一回、高知で文旦狩りのバイトをしたときに、バイト初日の前日に、これまで感じたことのない悪寒をおぼえて、これはやばいってなったんですけど、休むわけにいかないからもう思いっきり栄養のあるもの食べて、カロリーメイトとか鶏肉サンドとか」

 

ぱ「カロリーメイト?!?(涙をふく真似)」

 

た「で、また次の日も体調崩したまま、でももう“やるしかない”って働いてたら、結局二日くらいで治りましたね」

 

ぱ「気合いだねー」

 

た「そう、だから、病は気からってほんまやなって」

 

ぱ「スポーツマンですか?もともと。体育会系?」

 

た「いや、まあスポーツはしてましたけど、そんなバリバリってほどじゃ」

 

ぱ「種目は?」

 

た「小学校から中学ちょっとまではサッカーしてて、その次テニスして、高校からずっとストリートダンスしてました」

 

ぱ「ぽい!踊れそう!」←?

 

(つづく)

japanese tip と私(⑥旅人に直撃3)

(インタビューつづき)

 

ぱ「この企画や取り組みが理解されないとかいう類の苦労エピソードはありますか?」

 

た「“おまえは何もしてない”って話で、“車ががんばってるだけや”って言われたり」

 

ぱ「くるま?!(爆笑)車たしかにがんばってはるけれどもやね」

 

た「そう。めっちゃがんばってくれてる。あとその、さっき言ってたみたいに、おまえが歩いてる意味がわからんと。そうやって広めてるのも時間の無駄やと言われたりとか、“なにそれ”“そんなことして意味あるのか”って根本を問いただされたり。しかもその人が商店街のドンだったり飲食に関わってる人やと、こっちも、なんていうかな、もう一回考えさせられるというか。うん。」

 

  • 街のちょっとしたムーブメントになればいいかなと

 

ぱ「なるほど・・・。私もね、すみません、ちゃんと理解してなくて申し訳ないんですけど、箸袋を集めてるってうかがって、Japanese TipのFacebookで淡々とあがってる“協力してくれるお店が増えました”って投稿だけ見てると、箸袋を扱ってるお店だけをピンポイントまわってるのかなって勝手に思ってて、それと街歩きをすることとの関連性がちょっとぴんときてなくて。宮崎ではキママブックスさん行ったり恋史郎コーヒーさん行ったり、箸袋と直接的には関係なさそうなお店も行かれてましたよね。街歩きをする理由についてききたくて。まあ言えば、言葉は悪いけど、単純に非効率的なんじゃないかなって思ったりして。気を悪くしたらごめんね。」

 

た「あーいやいや。」

 

ぱ「その街を知りたい?その街の人と交流したい?」

 

た「いや、“街として広めたい”じゃないですけど、うーん、なんか、感じたのは、こうやって今ぱっこりんさんとお会いしたりとか、キママさん行ったり恋史郎さん行ったりすると、まずそのお店の人が箸袋を考えるきっかけになるというか」

 

ぱ「たしかに、箸袋についてこんなに考えたことなんてなかったもん!自分の暮らしに

新しいフィルターが設定されました!」

 

た「あとは、事前に自分でネットで調べたりして、だいたいのあたりはつけてこの店オリジナルの箸袋いい感じだから行ってみようって候補がメモにあっても街でいろんな人にきくのは、その人が自分のメモ以上の情報を持ってはる可能性があって、こういうのを愉しんでやってくれはる人につなげてくれる場合があるからっていうのがありますね。」

 

ぱ(自分でちゃんと調べた上で聞き込みするから、ちゃんと成果あがったりドラマ起きたりするんだろうな。えらいなー)

 

た「そのきっかけになる話でいうと、“箸袋について考えたことないわー”って声よくきくんですけど、自分ではわからんけど、じゃあこの人なら知ってるかもって人を紹介してくださったりするわけですよ。で、その人もまた考えてくださって、そうやって何人かが考えてくださった輪のなかに協力店があると、店単体として動いているわけではなくて、まわりの方々も意識して参加してくださるようになるっていうか」

 

ぱ「より有機的になるっていうか発展性が見込めるわけだ。すげーな辰巳雄基26歳」

 

た「笑。まあ、うまいこと繋がるとこと繋がらないとことあるんですけど、」

 

ぱ「土地柄とか県民性とか、あとはタイミングとか?」

 

た「はい。それで、協力店さんどうしがつながる場合もあったりして、“じゃあ今度あの店で飯食って箸袋折るわー”とか。で、別で、たまに店員さんじゃなくてそこの常連さんが僕に電話くれるときとかもあって。“今どこおんねん、箸袋めっちゃたまってんで”とかって。」

 

ぱ「おもしろい!」

 

た「そうなると、その店対ぼくの1対1じゃなくて、お客さん含めて三角形、でまた別の街人含めて四角形とかになっていくわけです。なんていうか、街ってそうやってできていってるのかなって思うし、」

 

ぱ「街の人々の人間関係の網の目をシャッフルするといったらおおげさだけど、脱構築、再構築するきっかけとして機能する場合もありますね、おおいに」

 

た「話題は、あんなやつが街に来たわ、ぐらいでいいんですよね。ちょっとでもなにかひっかかってくれればおもしろいかなって」

 

ぱ「だってね、キママのおじさまなんてね、なんとなくわかるとおもうけど、ご自分から“きのうこんなおもしろい人が来ましたよ”とか言うかんじの人じゃないじゃん?」(キママのおじさますんません)

 

た「笑」

 

ぱ「そんな人がそういうって、相当だなって思ってね」

 

た「あーそれはめっちゃうれしいですね」

 

ぱ「素敵だっておっしゃってました。俺も若かったらなーって。うらやましいみたいよ」

 

た「いやいや、ありがたいですね、それでぱっこりんさんともこうやってお会いできてるわけですし。たぶん箸袋のお店だけ行ってたらね、こんな広がりはないからですね」

 

た「話ちょっと違うかもしれないんですけど、自分はSNSとかで各地で訪れた場所をあげてるんですけど、そしたら、“あいつを○○へ連れていかないと、この県が○○やと思われる”みたいなかんじで連れてってくれたりするんですよ」

 

ぱ「すごいわかります、その連れて行く側の感覚。見栄っ張りっていうかおせっかいっていうかなんていうか笑」

 

た「それは自分はすごくうれしくて。いいんですか自分で?って思うんですけど」

 

ぱ「謙虚ですね」

 

た「いやだってね、もっと発信力ある人をお連れした方がたぶんいっぱい広まるのに、自分でいいんですかってかんじなんですけど。ってなると、街のことも知れるし、お店のことも知れるし、店主さん、常連さん、街のひとたちと作っていけたらいいなっていうね。

 

いろんな人がSNSでこれまでシェアしてくれたのとかコメントとか全部写真に撮って残してて。これが広まっていくアーカイブみたいなのが残ってもおもしろいのかなって。地道やったけど、記録として?ある街でシェアされたのが横の街で見られた、じゃあ100人が見て、その人が広めてくれてって円が重なって、結果、日本の人たちがジャパニーズチップ知ってるとか一回は見たことあるそんなふうになってもいいのかなって。」

japanese tip と私(⑤旅人に直撃2)

(インタビューつづき)

 

  • 全国各地から作品を集める

 

ぱ「手を加えられた箸袋を集めること自体は、どうやって?」

 

た「協力店さんに箱と着払伝票をお渡しして。なるべくお手間を頂戴しないで済むようにしたいなとは思ってるんですけど」

 

ぱ「それはある程度数がたまった段階で、お店判断で送ってもらう感じですか?」

 

た「お店判断でいうと、たまったら送ってきてくれはる時もあるんですけど、タイミングちゃんと伝えられてない部分もあったと思うんで、今はお手紙を送るようにしてます、展示したいですって。」

 

ぱ「じゃあ、協力店としてアナウンスされてるところは、お客さんが折ってくれた箸袋を集めて送るってところまで含めての協力店なんですか?」

 

た(うなずく)

 

ぱ「そこまで理解してオッケイもらって、あのPOP設置になるわけですか」

 

た「そうですそうです。」

 

 

  • 非効率的でも、核の部分を直接伝えたい

 

た「“自分、店まわる意味ないやん”って言われることもあって。それは、活動を広めるんやったらPDFとかで説明をダウンロードしてやってもらったらいいやんってニュアンスなんですけど、」

 

ぱ「トップダウン的な?」

 

た「そうそう。自分としては、協力店の方が、まず理解してくれたり、ご自身のことばで説明してくれたりってかんじになるように、そこまでの関係を築きたいって思いがあって。」

 

ぱ「面と向かって話すとまたちがいますもんね。辰巳さんの分身というか、共鳴してくれる人が各拠点に確実にいるように、みたいな?」

 

た「たぶん、お客さんが全然作品をつくってくれないお店もあるでしょうし、店員さんが途中でなんかおもしろくないなってなる場合もあると思うんですけど、一応ひと通り話をして、オッケイって言ってくださったところを、載せさせてもらってます」

 

 

  • 成功事例:ジャパニーズチップを独自の文化に発展させるお店

 

ぱ「いま宮崎で39都道府県めまで来られて、手ごたえとしてはどうですか?例えば日本列島の地図でみたとき、各都道府県に拠点というかピコピコ光を放つお店はあるんですか?」

 

た「そうですね、各都道府県、一店舗ひとりは絶対ピコピコしてくれてるなっていうのはあって」

 

ぱ「それすごいですね」

 

た「だから電話したりするのも楽しみだし、応援してくださってるのもわかるし、これだけ集まったよって写真送ってくれたりSNSで共有してくれたり。たとえばこれは愛知のお店なんですけど、これびびったんですよ」

 

 

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た「店員さんからのレポートが楽しくて。だんだん進化してきてるよーとか。あ、びっくりしたのが、あるお店なんかは、“箸袋作品つくってくれたら5円お返しします”ってシステムはじめたりしてて」

 

ぱ「えー?!太っ腹!チップにキャッシュバック?斬新が過ぎる!」

 

 

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た「もう、なんか、勝手にこれを利用してくれて、お店ならではのものにしてくれたらいいなって思うんですよ。いろんなきっかけにしてくれたりね」

 

ぱ「醍醐味ですね。生き物っていうか。そのキャッシュバックはどちらのお店ですか?」

 

た「それも愛知ですね」

 

ぱ「愛知すごいですね。順応性?適用力?応用力?」

 

た「ありがたいですよね」

 

  • 旅の苦労話:詐欺師あらわる

 

ぱ「いま聞かせてくださったが成功バージョンとしたら、逆に苦労バージョンというか、これきっついみたいなの、言える範囲で教えていただけませんか?」

 

た「きっついのは、詐欺師と二日寝たことです」

 

ぱ (・ω・)

 

た「長野で住み込みで1か月くらい働いたんですよね、それでまあ旅の資金を貯めて、よし次の場所に行こうって行ったのが金沢で。あるときベンチに座って調べものしてたらおじさんが近づいてきて、旅人か?って話しかけられて、仲良くなって、どこで寝てんのか言われて、車でって言ったら、それはいけないと。俺の知ってる温泉宿があるからってその社長さんて人が連れてってくれて、そしたらその人が詐欺師だったってオチなんですけど」

 

ぱ「お金とられたんですか?」

 

た「(うなずいて)、一日目は全部出してくれたんですけど、二日め、奥さんが来るからお前を会わせたいって言われて、また宿を取り直して、で、もし延泊してくれるなら、お前の時間もとってることやし、小遣いもやるからって。でも今手持ちがないから貸してくれっていわれて、」

 

ぱ「貸したっちゃ?」

 

た「そう。人にね、金なんか貸したことないくせにね、もう完全に今までの信じとったんですよね」

 

ぱ「わー、それが心理戦というか、テクニックなんですかね」

 

た「長野で働いた分くらいいかれて」

 

ぱ「まじで・・・それはへこむね・・・」

 

た「そう。その前、東北ですっごく人の暖かさに触れて、みなさんに助けてくださったりして、それに自分の心は慣れてて。日本人のなかにもこういう悪い人もおるんやなっていうね。しばらく、結婚詐欺に遭ったじゃないですけど、あの笑顔もウソやったんか・・・とかね」

 

ぱ「人間不信になりそう」

 

た「しばらく車のなかでちーんってなってましたね。しかも3時くらいまで飲んでたから、散々飲んで、だまされて、すごい二日酔いとかで」

 

ぱ「それも計算やっちゃろうか・・・」

 

た「で、ママ。ある日一緒に行ったお店のママと翌日ホテルに行くことになったから送ってくれって言われて、連れていって、行方をくらましたから、ママ知ってるはずやと思って電話したら」

 

ぱ「グル?」

 

た「ママも金騙されとったんですよ」

 

ぱ「ダブル~?うんにゃもこはのさん」(鹿児島弁でオーマイガッ的な意味)

 

た「いろんな人を信用させてね」

 

ぱ「ひきつけるだけひきつけて、すごいですね」

 

た「まあそういう人もいっぱいおるんやなって思ったりもしてね」

 

ジャパニーズチップ辰巳さんの旅ブログ「詐欺師あらわる」はこちら

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