足るを知りたい女のはてしないたわごと

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japanese tip と私(④旅人に直撃1)

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ぱっこりん(以下、ぱ)「まず、Japanese Tipの活動についてなんですけど、すみません私よくわかってなくて、参加店から作品?を集めて、ゴールは展示なんですか?」

 

たつみさん(以下、た)「ゴールは、展示、、、じゃないんですけど、(あつまったTipを)一回みんなに見てもらいたいのが展示で…ゴールというゴールはそんなに設定してないんですけど、あ、そう、クラウドファンディングのゴールが展示ですね」

 

ぱ「あ、そうなんですね、すみません、ちゃんと把握してなくて」

 

た「あーいえいえ、自分のなかでもゴールとして定めてるかはちょっと難しいとこなんですけど。まあ、これが日本のチップだったらおもしろいなっていうので、自分は(飲食店バイト時代に)片付けてて、楽しくなったんですね、妄想することで。で、この木のPOPを置いてもらった店が一回それを経験して喜んでくれたら、お客さんもこれをつくることで楽しくなってくれたら、仮にこのPOPがなくても、店員さんの頭にあれば、しばらく続くと思うんですね。そういうことになればいいなと思ってて。」

 

ぱ「なるほど」

 

 

 

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(辰巳さんの故郷・奈良の吉野中央木材株式会社でつくられたJapanese TipのPOP。この木のぬくもりと、見た目のかわいさなどで、「これならテーブルに置いてもいいよ」という飲食店もあったそう)

 

 

  • 「あたりまえ」への違和感

 

た「ひとつの目標としてあるのが、難しくてそんなん無理やってなるかもしれないんですけど、今どんどん機械化されて、サービスもシステムの一環みたいになって、日本は特に、サービスもあたりまえ、ごはんが常にたくさんあるのもあたりまえで廃棄率も高いみたいな世の中で、それがあたりまえになりすぎていくと、例えばですよ、僕SFとか好きなんですけど、戦争になりました、食べ物ありませんみたいになったら日本人うわーってなると思うんですよ。そんな可能性もなるなかで、ちょっと“ありがとう”とか“ごちそうさま”っていう言葉の意味を見直すきっかけのひとつになったらいいなあっていうのも、あるんですね」

 

ぱ「おーーーーーーーー」

 

た「で、それを、海外の人にも、いろんな人が“ありがとう”や“ごちそうさま”を伝えてるんだっていうのを見てもらいたい。それが形として残る、日本人ならではの手の器用さ、折り紙文化やおもてなしとしての箸袋文化を使って、しかも今までなかったものを使うんじゃなくて、あったものを使って伝えるっていうのが“Tip”になって、それでコミュニケーションしてるんだっていうのを、海外の人にも見てもらいたいっていうのもありますね」

 

ぱ「なるほど。いわゆる欧米文化のチップに対してっていうのが起点だったというわけでは必ずしもなかった?」

 

た「必ずしもなかったですけど、疑問はあって。海外に行ったときにチップを払わなければならないって教え込まれるじゃないですか。15%や、とか。でもそれって、ある種日本人感覚でしかなくて、向こうの人たちの文化では、もらう人はそれが生活の糧になってたり、渡す人はサービスの質に応じてチップの金額変えてたりとかして。めっちゃサービス良かったら500円のハンバーガーに1,500円払ったり、逆にサービス悪かったら払わなかったり。

 

で、日本はというと、サービス料ってなくて、強いていえば商品の値段に含まれてる。で、いま海外でもサービス料含むってなってるところも多くて。そういう時代背景もあり。で、また調べてると、箸袋も減ってきてて、ほんとにここ1~2年とかのことで、エコとか経費削減とかで。」

 

ぱ「(うんうん)」

 

  • おもてなしとしての箸袋、日本特有の折り紙文化

 

た「箸袋との歴史を調べてたら、一説なんですけど、平安時代くらいから、当時まだ紙はなかったけど箸袋を“包む”という文化がでてきたみたいで。で、中国から紙が入ってきて、貴重なものだったから、奉納用に使われたりしてて。箸も神聖なものじゃないですか、口に入れるものだし、だから、大切な客人の箸を“包む”ようになったと。

 

折り紙の歴史は折り紙博物館に行って知ったんですけど、折り紙ってもともと西洋から入ってきたらしくて、日本人がそれを採り入れて独自に発展させまくったらしいんですよ。で、今となっては“日本といえば折り紙”くらいなってますけど。

 

だから、“紙で箸を包む”ってこと自体が、とても日本らしいことなんだなってわかって。で、だんだん、箸の袋に文字とか印刷しだしたのがショップカードだったんですよね昔は。」

 

ぱ「そっか!じゃあ今よくある名刺サイズのショップカードの普及と、箸袋の減少、両者には相関関係があるわけだ?反比例っていうか。おもしろい!」

 

た「そう。で、いまネットで食べログとかあるから、それさえもいらなくなってきてるっていうか。紙の本が電子書籍化してるみたいな。」

 

ぱ「興味深いですね。」

 

た「もちろん経費削減って面もあると思うんですよね。箸袋代や印刷代かかるし。でも、そもそもの箸袋の歴史とか意味、大切に包んでもてなすってことをみんながわからなくなってきてて、なんとなく廃止してるところも多いんじゃないかなって思って。」

 

ぱ「道具に対する意味づけって、重層決定っていうか、社会の状況とかで流動的に変わっていきますもんね、恣意的っていうか。それ実におもしろいですねー」

 

た「なにげなく減ってるからうちもやめようかみたいになってるけど、たぶん、本来を調べると、客をもてなすっていう日本らしい文化の表れだったんじゃないかなってね」

 

ぱ「辰巳さんあれですね、そういうのに疑問をおぼえる性分なんでしょうね」

 

た「(笑) なんかね。そうそう。あたりまえに変わってきてるから、そこへの危機感っていうか、なんていうかな、僕は日本に生まれ育って、やっぱり白米が好きで、みそ汁が好きで、日本大事にしたいっておもうんですけど、改めて立ち返ってみて、空(から)になったらだめやと思うんですよね。向こうの人たちの方が日本のこと詳しかったり日本の文化を理解してたりって場合も多いと思うし。そんななかで、削減するものと残すもの、なにを継承していくかとかはやっぱり大事なんかなあって、ちょっとまとまんないすけど」

 

 

  • そして旅に出る

 

ぱ「ご自身のなかに軸があって、それを通して決めたいっていうか、一回自分の頭で考える人なんじゃないですか?みんなが言ってるからとかじゃなくて」

 

た「ああ、そうですね。このJapanese Tipを広めるにあたっても、たとえば、この活動に参加して、ハッシュタグつけてSNSに投稿してくれたら、10円を誰かに寄付!とかやったらとか提案もらうんですけど、ピンと来ないというか、そういうのはまったく自分のなかになくて。寄付されたい人に会ってないし、誰を救いたいとか別にないし。そういうのってハッシュタグで投稿数自体は増えても、素の部分もちゃんと広まるんやろかって。」

 

ぱ「核になる思いをちゃんと伝えたいわけですな」

 

た「(笑) まあ、もの自体がおもしろかったから(箸袋の造形物)、それをコレクションしたいっていう欲もあったんですけどね」

 

ぱ「それを、いろんな地域のいろんな柄の箸袋でつくられたTipをコレクションしたいということで、旅が始まるわけですか?」

 

た「そうです。で、全国の店員さんが経験してくれたり、全国のお客さんが経験してくれたりすることで、これはよかった、これはおもしろかった、めんどくさかった、とかいうひとつひとつのケースを集めたいなと思ってて、最終的にそれらが作品全体のいっこのメッセージになればいいかなと。だから、ゴールというより、実験をしてるって感じなんですかね」

 

ぱ「ボトムアップの極み、参加型アート、形のないものをつくる壮大なアート作品というかプロジェクトですね、やっぱアート、たつみさんアーティストなんですかね?」

 

た「コレクター。笑」

 

つづく

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