japanese tip と私(⑥旅人に直撃3)

(インタビューつづき)

 

ぱ「この企画や取り組みが理解されないとかいう類の苦労エピソードはありますか?」

 

た「“おまえは何もしてない”って話で、“車ががんばってるだけや”って言われたり」

 

ぱ「くるま?!(爆笑)車たしかにがんばってはるけれどもやね」

 

た「そう。めっちゃがんばってくれてる。あとその、さっき言ってたみたいに、おまえが歩いてる意味がわからんと。そうやって広めてるのも時間の無駄やと言われたりとか、“なにそれ”“そんなことして意味あるのか”って根本を問いただされたり。しかもその人が商店街のドンだったり飲食に関わってる人やと、こっちも、なんていうかな、もう一回考えさせられるというか。うん。」

 

  • 街のちょっとしたムーブメントになればいいかなと

 

ぱ「なるほど・・・。私もね、すみません、ちゃんと理解してなくて申し訳ないんですけど、箸袋を集めてるってうかがって、Japanese TipのFacebookで淡々とあがってる“協力してくれるお店が増えました”って投稿だけ見てると、箸袋を扱ってるお店だけをピンポイントまわってるのかなって勝手に思ってて、それと街歩きをすることとの関連性がちょっとぴんときてなくて。宮崎ではキママブックスさん行ったり恋史郎コーヒーさん行ったり、箸袋と直接的には関係なさそうなお店も行かれてましたよね。街歩きをする理由についてききたくて。まあ言えば、言葉は悪いけど、単純に非効率的なんじゃないかなって思ったりして。気を悪くしたらごめんね。」

 

た「あーいやいや。」

 

ぱ「その街を知りたい?その街の人と交流したい?」

 

た「いや、“街として広めたい”じゃないですけど、うーん、なんか、感じたのは、こうやって今ぱっこりんさんとお会いしたりとか、キママさん行ったり恋史郎さん行ったりすると、まずそのお店の人が箸袋を考えるきっかけになるというか」

 

ぱ「たしかに、箸袋についてこんなに考えたことなんてなかったもん!自分の暮らしに

新しいフィルターが設定されました!」

 

た「あとは、事前に自分でネットで調べたりして、だいたいのあたりはつけてこの店オリジナルの箸袋いい感じだから行ってみようって候補がメモにあっても街でいろんな人にきくのは、その人が自分のメモ以上の情報を持ってはる可能性があって、こういうのを愉しんでやってくれはる人につなげてくれる場合があるからっていうのがありますね。」

 

ぱ(自分でちゃんと調べた上で聞き込みするから、ちゃんと成果あがったりドラマ起きたりするんだろうな。えらいなー)

 

た「そのきっかけになる話でいうと、“箸袋について考えたことないわー”って声よくきくんですけど、自分ではわからんけど、じゃあこの人なら知ってるかもって人を紹介してくださったりするわけですよ。で、その人もまた考えてくださって、そうやって何人かが考えてくださった輪のなかに協力店があると、店単体として動いているわけではなくて、まわりの方々も意識して参加してくださるようになるっていうか」

 

ぱ「より有機的になるっていうか発展性が見込めるわけだ。すげーな辰巳雄基26歳」

 

た「笑。まあ、うまいこと繋がるとこと繋がらないとことあるんですけど、」

 

ぱ「土地柄とか県民性とか、あとはタイミングとか?」

 

た「はい。それで、協力店さんどうしがつながる場合もあったりして、“じゃあ今度あの店で飯食って箸袋折るわー”とか。で、別で、たまに店員さんじゃなくてそこの常連さんが僕に電話くれるときとかもあって。“今どこおんねん、箸袋めっちゃたまってんで”とかって。」

 

ぱ「おもしろい!」

 

た「そうなると、その店対ぼくの1対1じゃなくて、お客さん含めて三角形、でまた別の街人含めて四角形とかになっていくわけです。なんていうか、街ってそうやってできていってるのかなって思うし、」

 

ぱ「街の人々の人間関係の網の目をシャッフルするといったらおおげさだけど、脱構築、再構築するきっかけとして機能する場合もありますね、おおいに」

 

た「話題は、あんなやつが街に来たわ、ぐらいでいいんですよね。ちょっとでもなにかひっかかってくれればおもしろいかなって」

 

ぱ「だってね、キママのおじさまなんてね、なんとなくわかるとおもうけど、ご自分から“きのうこんなおもしろい人が来ましたよ”とか言うかんじの人じゃないじゃん?」(キママのおじさますんません)

 

た「笑」

 

ぱ「そんな人がそういうって、相当だなって思ってね」

 

た「あーそれはめっちゃうれしいですね」

 

ぱ「素敵だっておっしゃってました。俺も若かったらなーって。うらやましいみたいよ」

 

た「いやいや、ありがたいですね、それでぱっこりんさんともこうやってお会いできてるわけですし。たぶん箸袋のお店だけ行ってたらね、こんな広がりはないからですね」

 

た「話ちょっと違うかもしれないんですけど、自分はSNSとかで各地で訪れた場所をあげてるんですけど、そしたら、“あいつを○○へ連れていかないと、この県が○○やと思われる”みたいなかんじで連れてってくれたりするんですよ」

 

ぱ「すごいわかります、その連れて行く側の感覚。見栄っ張りっていうかおせっかいっていうかなんていうか笑」

 

た「それは自分はすごくうれしくて。いいんですか自分で?って思うんですけど」

 

ぱ「謙虚ですね」

 

た「いやだってね、もっと発信力ある人をお連れした方がたぶんいっぱい広まるのに、自分でいいんですかってかんじなんですけど。ってなると、街のことも知れるし、お店のことも知れるし、店主さん、常連さん、街のひとたちと作っていけたらいいなっていうね。

 

いろんな人がSNSでこれまでシェアしてくれたのとかコメントとか全部写真に撮って残してて。これが広まっていくアーカイブみたいなのが残ってもおもしろいのかなって。地道やったけど、記録として?ある街でシェアされたのが横の街で見られた、じゃあ100人が見て、その人が広めてくれてって円が重なって、結果、日本の人たちがジャパニーズチップ知ってるとか一回は見たことあるそんなふうになってもいいのかなって。」