鹿児島のミニコミに出会う話


\よろこびを他のだれかとわかりあう/

 

 

街や世の空気感を文字であらわして分かち合うことに対する欲求の普遍性について。役割分担でいえば、たぶん、役割分担論でいえば、村上春樹がいうところの「雪かき」なんだと思う。雪の降らない鹿児島では「灰かき」とでもたとえるべきか。いやいやいやいやいや、、、
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去年つくったzineを鹿児島ブルース界の重鎮・Blues T-BONEのマスターが発行直後に数冊買ってくれた。一冊残して、あとは好きそうな人にあげるって。

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義理人情で買ってくれて有難いなあと思っていたら、実際ご本人も読んで、次訪れた時に感想をきかせてくれて、「いつの時代もこういうミニコミする人いるんだね。あなたもけっこう変な人だね」と言われたのが今思えば引っかかってはいた。変な人に変な人って言われた、、、
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だいぶ後になって再訪した際、マスターから「はいこれ、読む?」と今日の新聞でも渡すくらいのノリで見せてもらった「新上橋少年」という小冊子。しんかんばししょうねん、と読みます。新上橋は地名。Blues T-BONEの常連さんや仲間たちが当時の鹿児島の音楽シーンについて座談会を開いたり、エッセイを寄せたりしている。
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話題は音楽だけにとどまらない。マスターが当時贔屓にしていた鹿児島出身の逆鉾という力士の魅力について書いていた回があった。「サカホコ?」「うそでしょ逆鉾知らないの?」「鹿児島のお相撲さんて寺尾しか知らない」「寺尾の兄ちゃんよ!!」ってがられた件はさておき、逆鉾という名の焼酎をいただきながら、ぐびぐび読んだ。そこらへんに暮らす人たちの飾らない生きたことば。ぐっときますよね。「あなたがあのミニコミを持ってきたから、久しぶりに新上橋少年も読んだけど、やっぱりおもしろいよね」とマスター。なんていうんですかeveryday people感。

 

 

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鹿児島のジャズ好きたちが発行していた「MODERN PALS」というリトルマガジンがジャズ喫茶門で発掘されていたことを知ったのは、その少し後だった。
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年代こそ少し違えど、各ジャンルでそういうコミュニティの動きがあったんだ。T-BONEのマスターに”MODERN PALS”をご存知か尋ねると、知ってるもなにも、会員だったのだそう。「パノニカ」という店のこと、そのオーナー中山信一郎さんのこと、「コロネット」や「リバーサイド」という店のこと、出てくる出てくる繋がる繋がる。
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話とびますが、鹿児島の人たちの、良くも悪くもアクが強いかんじが私はとても好き。不器用で愛想笑いの類が下手くそなかんじや、言葉が足りなくて誤解されやすいかんじもとても好き。
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先日、金曜夜のジャズ喫茶門で音と酒を浴び、本棚でみつけた中山信一郎「土曜日のジャズ 日曜日のシネマ」を貪り読んでいたらば

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MODERN PALESの表紙を描いていたという仙人にナンパされる事案発生(宮崎駿かと思った...)。

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音楽の話、中山信一郎さんのこと、渋やんというピアニストのこと、いろんな人にいろんな話きかされ(鹿児島の人はほんとにめっちゃ教えてくれる...きいてもないのに!笑。)脳内容量たいがいパンクした後に、門がなくなる10月以降はあの店に行くといい、この店はもう行ったかとか、知らない単語続出につき途中からメモとりながら📝呑んでた話はまた別の機会に。濃厚の極み、薩摩。

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なんかよくわかんないけど知りたい。自分の手で触れたい触ってみたいって若輩者に、鹿児島の大人たちはほんとうに優しい。いつももらってばっかりだ。あれしなさいこれしなさいって言うけど、決めるのは我がでせえよってスタンスがまた心地よい。