【感想】武田砂鉄さんとバービーさん

最近いちばん感じ入ったのは、8/30(金)TBSラジオ「ACTION」(ナビゲーター・武田砂鉄さん)にゲスト出演していた、芸人・バービーさんの語りと、そこに至る経緯。

 

普段テレビで観るのとは明らかに違うトーンとテンションで、脳みその二枚目っぷりを露わにした彼女。「彼氏がいたりすると、最低限の自尊感情は保たれるのかなと思う」とか、「(ショービズの文法が)別に私の思想と合ってなくていいやと思ってます」とか、さらっと名言が出てくる気持ち良さ。的確な言葉で淡々と受け応えるさまは、聡明そのもの。芸人さんが頭いいのは不思議ではないからそこに驚きはないんだけど、フラットな語り口が、あーこの人信頼できる、真っ当だわ、むしろ、あ、そりゃそうかって感じた。バービーさんの、状況把握したり構造分析したりする能力、それらを言語化する力がすごい。

 

ここにも静かに戦ってる人がいる。自分もガンバローと、単純に。それら全て、砂鉄さんだから引き出せた話。

 

 

たとえば、

 


(以下、TBSラジオの書き起こしより一部抜粋です。https://www.tbsradio.jp/404901

 


武田:芸人さんになって売れてない頃は、自分の美意識を徹底するというよりは、何かに合わせなきゃいけない場面って多いじゃないですか。そういうのに対しての抵抗感はなかったのですか?

バービー:実はそういうのは全然大丈夫です。いくらでも頭下げるし(笑)、いくらイジられても大丈夫だし。それこそ昔の芸人界は女性の絶対数も少なかったのでむちゃくちゃイジられましたが、抵抗はなかったです。そういうものだと思ってました。

武田  :女性の芸人さんも多分、いろんな人がいらしてると思うのですが、イジられることを続けられることで、最初にあった芯みたいなものがズタボロに崩れる人もいるかと思うんです。でもバービーさんのように「それはそれ」なスタンスをとれる人もいて、両方のパターンがあるかと思います。

バービー:そうですね。こんな言い方したらあれですが、彼氏がいたりすると…(笑)まぁそれで最低限の自尊感情は保たれるのかと思います。

武田  :芸人さんの世界って、どの世界よりも男社会の面が強いかと思いますが、その中で動きづらいと感じることはあまりなかったですか?

バービー:それは、イジられるというのはそういう社会だし、そういうエンターテイメントだし。別に私の思想と合ってなくていいやと思ってます。私、こういう番組で初めて本音で喋っていますが、そのからくりを話してしまうと笑いづらくなってしまうので。

 


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とか。あと、自虐ネタに関する持論も展開されるんだけど、けっこう誰にでも当てはまる話というか、少なくとも私にはすごく響いた。「あの人はこうだから」とか「私はこうだから」って括ってしまいがちだけど、もちろん括らないとやっていけない場面も社会生活には多いのだけど、それが全てではないという「余白」を忘れないようにしたい。柱を何本か持っておく、というのかな。なかなか難しい!け!ど!ね!

 


ひとつひとつのトピックをもっと掘り下げて聴きたくなるくらい、興味深い対談でした。長くなっちゃったけど、よかったら、radikoで是非。音声で聴くのがいちばんと思う。番組開始から1時間後にバービーさん登場です。

 

ACTION | TBSラジオ | 2019/08/30/金 | 15:30-17:30 http://radiko.jp/share/?t=20190830163005&sid=TBS

 

 

しかし、本棚は、あるよね。

自分の本棚見られるの恥ずかしいもんねえ。

わりと脳みそや琴線だもんねえ。

 

 

「北海道の空と対話」のくだりも、好きだなァ。

人間のバックグラウンドっておもしろいなあ。